ビジュアル最強の花組「巡礼の年」感想

花組公演巡礼の年の感想です。
お話はリストとマリーの恋愛、その行方や
ジョルジュサンドとショパンについてある程度知っている方が楽しめると思いました。

何も予習しないまま行くと登場人物の心情把握がちょっと難しいかもしれません。

とにかく情景が美しい公演

こと宝塚においては非常に重要な要素ですよね。
ビジュアル面、セットや場面の美しさなど
美しさで言ったら100点満点の舞台だなと思います、
画集を見ているみたいに場面の構成が非常に綺麗・:*+.\(( °ω° ))/.:+

転換が多いから黒子さんは大変そうですね、走り回ってるのが結構見えました。(笑)

巡礼の年の簡単なストーリー・あらすじ

リストはパリのサロンでひっぱりだこ、大人気ですが
求められているリストと自分自身の解離に耐え切れずマリーと駆け落ち。
しばし楽しい時間を過ごします。
しかしその後訪ねてきた元愛人ジョルジュサンドに懇願され
「パリに戻り、もう一度ピアノを弾いて今パリを席巻するピアニストタールベルクに勝って」
というものを叶えるためパリに出向きます。

マリーとリストのすれ違い

サロンで自分に浴びせられる賞賛がまたリストの野心に火を付けてしまい
マリーを置いて各地の興行に出発し、マリーと心が離れていきます。

一方のマリーは特権階級と一般市民の格差に異議を唱える二月革命に賛同し参加します。
祖国ハンガリーでの功績が認められたリストは
貴族たちと肩を並べるほどの地位に。(貴族しか帯刀を許されないサーベルを贈られる)

マリーとリストの再会と対話

そこでリストとマリーの精神世界が交差し、二人がそれぞれの立場で対話をします。
すれ違い、マリーの前から去るリストは喪服を着たサンドと出会い
死ぬ直前のショパンに出会い、愛憎をぶつけます。
そこでショパンはリストが本当に認めるべきは幼少期の自分なのだという気づきを与え、
この世を去っていきます。

それからずいぶん経ったあと、
たくさんの子供たちがあつまる修道院のリストをマリーは尋ねます。

改めて再会した二人は一緒にベンチに座り、積もる話を始めるのでした。

柚香光さん演じるリスト

柚香光さんのリストは素晴らしく美しいビジュアルです!
パリのサロンでピアノを背にして立っている姿はあまりにも完璧。一枚の絵みたい。
リストはビジュアルが良いほど説得力が非常に増しますし、
なかなか宝塚化粧であの髪型が似合う人って難しいしほんとにぴったりの役だなと思いました。

人間性的には
ザ・生田先生の描く主人公という感じのキャラクターでした。
回り道をしながらも自分の中で悩んで相手に感情をぶつけることもできず、
虚栄心の果てに真実を見つけ出す流れ。

でもその苦悩した表情とか、滑稽にも見える栄光とか、
柚香さんのお芝居とぴったりハマっていて良かったですね。
何よりビジュアルが良い。ほんとにビジュアルが良すぎてずっとみてられるわと思いました。
マジで格好良いのよ( ̄▽ ̄)

星風まどかさん演じるマリー・ダグー伯爵夫人

星風さん演じるマリー・ダグー伯爵夫人も良かったですね。
星風さん自体が非常に可愛らしい方なので見た目は少女っぽいのですが、
何より台詞を話す声が素晴らしくて芯のある女性として存在感がありました。
どのドレスもとてもお似合いでした!!

こちらもザ・生田先生作品のヒロインと言う感じで、
主人公よりも大人というか、先を歩く精神性の持ち主。
生田先生の描くヒロインって全員聡明な女性なんですが、
個人的にはストレスが無くて好きです。
一度は甘えまくって甘やかされる女の子も見てみたいかも?

水美舞斗さん演じるショパン

いや本当に素晴らしかった。私が思うショパン像とすごく近くて。
聡明で無駄口は言わないけど、自分自身のこだわりはあるというのが
立ち姿と表情から存分に伝わってくる。
水美舞斗さん自身の持つ温かみがすごく活かされているなと思いました。

リストにとっては常に背中を追い続ける天才であり、届かない場所。
尊敬しているけど憎くもある。愛憎の感情を持たれている役でしたが
どこまでもショパンの善性が眩しいからそのモヤモヤをぶつけることも出来ないリスト。
そんな感じでしたね。

ショパンはジョルジュサンドのことを愛していたと思うので、
最後までリストのことを好きだと勘違いしてるのにはちょっとビックリしたけど
まあこれは敢えての変更でしょうし、宝塚ナイズするなら最適解かなと思いました。

永久輝せあさん演じるジョルジュサンド

永久輝せあさん演じるジョルジュサンドは人格的に魅力のある人物。
女性らしい感情的な気持ちと一緒に、公平に物事を見る視点も兼ね備えていて
判断力に優れた格好良い女性です。
男性的すぎず、しっかり女性なところが良いですね。

低いところから高いところまで幅広い声が必要な歌唱も難なくこなされていて
男役しながらこれはすごいなと思いました。
ビジュアル的にもっと良い女風にしてもよかったのかなと思うんですが、
男役が演じる男装の麗人となると色々難しいのかも。
髪型が良ければこの公演でめちゃくちゃファン増えたろうなって思います。
元々ファン多いとは思うんですけど。

まあ逆にあの役の髪型の正解が何か?って自分で考えると難しいんですけどね・・・。

巡礼の年について

綺麗にまとまっていたのかなと思います。
後半でリストが現実か夢かわからない謎の時空に飛ばされるので
あの辺に違和感を持たずついていける方は良い演目だったと思うでしょうし、
あの辺に違和感を持つ方は途中から意味不明だったと思うかもしれません。

個人的には巡礼の年自体はリストの作品集の名前ですが、
あの自分にとっての人生のターニングポイントを
本物かリストの精神に存在するか不明なマリーと巡るのも
巡礼になぞらえているんだろうなと思いました。

二回みたらまた感想が変わりそうな公演なので、もう一回観るのが楽しみです。

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