礼真琴さんが受賞した芸術祭賞って何?

令和3年度文化庁芸術祭賞 演劇部門 新人賞受賞が発表されました。
「何かすごい賞なんだろうけどどういう賞なのか知らないな」という
私のような方もいるかと思い、過去の宝塚歌劇団の受賞実績と、どういった賞なのか?

また、今回礼さんのどういったところが評価されたのか。を調べてみました!!

そもそも芸術祭とは

芸術の創造と進展に寄与する目的で
1946年から毎年 10、11月に行われる文化庁主催の芸術祭をさす。
85年より演劇、音楽、舞踊、演芸の舞台芸術関係4部門に絞られ、
10月までを参加公演期間、11月1日から 10日までを主催公演とし、
参加公演を対象に芸術祭賞が贈られることとなった。
同時に東京集中の弊害を避けるため、文化庁と各道府県の共同主催で
持回りによる芸術祭地方開催が行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

とのことで、今年で第76回を迎える歴史ある賞なのですね。
なお審査については参加承認日の公演を審査委員が観覧した上、審査を行っているとのこと。
当日観覧する委員については団体宛に通知があるそうです。
実は隣に座っている方が審査委員なんてこともあるかもしれないってことなんですねぇ( ̄▽ ̄)
なお審査委員に対して、招待状を送るのはご法度だそうです。
芸術祭賞の水準を高く保つためにこの承認自体を受けるのにも、かなりの実績が必要なようですね。

令和3年度新人賞受賞の礼さんへのコメント

さて、今回受賞された礼さんについては以下のように発表されていました!

「柳生忍法帖」の柳生十兵衛役では、
強さの中に温かみのある人物像を的確に造り上げた。
「モアー・ダンディズム!」では、レビューの根本である明るさと華やかさが横溢。
2作品を通じて明瞭で幅広い発声による歌と芝居、指先まで神経の行き届いたダンスと、
全てに安定感があるとともに、今後一層の可能性を感じさせた。

https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93627001_02.pdf

レヴューでもショーでも素晴らしいパフォーマンスを見せたため、新人賞を受賞できたということですね。
ちなみに礼さんの前に新人賞を受賞しているのは平成27年度の明日海りおさん。
それ以前は

・平成16年 春野寿美礼さん
・平成21年 霧矢大夢さん
・平成22年 柚希礼音さん

などなど。数多くのスターの中でも名前を聞くだけで魅力を思い出せるような、
錚々たるメンバーですね。

宝塚歌劇団が受賞した過去の芸術祭賞は

ついでに暇だったので、
過去の受賞一覧(平成11年度以降〜令和3年)を遡って調べてみました。
歴代順に並べてみますね。この公演も受賞してたんだ!と新しい発見があるかも。
個人的にも「そうだったんだ!」と思うものがあり見ていて楽しかったです。

年度組・受賞者公演名・成果など
優秀賞平成11年度(第54回)1999年宙組「激情」「ザ・レビュー’99」の成果
優秀賞平成12年度(第55回)2000年雪組 轟悠「凱旋門」における演技
優秀賞平成15年度(第58回)2003年星組「王家に捧ぐ歌」の成果
優秀賞平成16年度(第59回)2004年星組「ロマンチカ宝塚’04 -ドルチェ・ヴィータ!-」の成果
新人賞平成16年度(第59回)2004年花組 春野寿美礼「La Esperanza-いつか叶かなう-」における演技
新人賞平成21年度(第64回)2009年月組 霧矢大夢月組公演における演技
新人賞平成22年度(第65回)2010年星組 柚希礼音星組公演における演技
優秀賞平成23年度(第66回)2011年宙組「クラシコ・イタリアーノ」ー最高の男の仕立て方ーの成果
新人賞平成27年度(第70回)2015年花組 明日海りお「新源氏物語」における光源氏の演技
新人賞平成30年度(第73回)2018年OG 凰稀かなめ「さよなら、チャーリー」における演技
優秀賞令和2年度(第75回)2020年月組「WELCOME TO TAKARAZUKA ―雪と月と花と―」「ピガール狂騒曲」の成果
新人賞令和2年度(第75回)2020年演出 原田諒宝塚歌劇月組公演における「ピガール狂騒曲」の脚本・演出
新人賞令和3年度(第76回)2021年星組 礼真琴柳生忍法帖」「モアー・ダンディズム!」における演技
優秀賞を名指しで受賞しているのは轟悠さんのみ!

ということで並べてみました。令和2年の月組公演と原田先生についてもコメントが載っていたので記載しますね。

令和2年度受賞(ピガールとWTT)宝塚歌劇団月組へのコメント

“雪月花”をテーマにした華やかな日本もののレビューと、シェイクスピア原作「十二夜」をベースに舞台を20世
紀初頭のパリのレビュー界に置き換えたミュージカル作品の2本立て。歌舞伎界の人間国宝・坂東玉三郎が宝塚
歌劇を初監修したレビューは、植田紳爾が演出を手掛け、日本舞踊と洋楽の融合、明るさと暗闇を使った印象的
な場面を統率の取れた踊りで魅せた。芝居も原作を卒なくアレンジし軽快でコミカルな作品となった。ショーと芝
居の比重もバランスよく出来栄えも見事。第106期生のお披露目も舞台に華を添えた。

https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/92737301_02.pdfより引用

原田先生へのコメント

シェークスピア喜劇「十二夜」の枠組みを、ベル・エポックのパリのレビュー界に巧みに落とし込んだ。主演男役
が二役で挑んだ兄妹をはじめ、レビューを取り巻く人物たちの軽妙な演技を十分に引き出した演出が印象に残
る。宝塚歌劇の源流にあるレビュー文化に深い敬意を払いつつ、自立するヒロインの造形に現代性を込めた脚
本も高く評価したい。

https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/92737301_02.pdfより引用

芸術祭賞の優秀賞と新人賞

さて、新人賞を受賞してきたのも錚々たるメンバーでしたが、
なんと優秀賞で名指しで受賞されているのが轟悠さん
凱旋門での演技を評価され優秀賞を個人名で受賞されていました。

改めてすごいスターだったんだなと思うと同時に、
今は熊本でお元気に過ごされているのかしらと思いを馳せてみたり。

受賞は作品と役者の両者の素晴らしさが同時に揃ってこそ。
これからどんな組み合わせの作品とスターが受賞者として名を連ねていくのか楽しみですね。

今回礼真琴さんが芸術祭賞 新人賞を受賞することになった柳生忍法帖の当ブログの感想はこちら
モアダン感想はこちら

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