新しい風!新生雪組「ヴェネチアの紋章」感想

新生雪組のスタートということで。
「ヴェネチアの紋章」と「ルポァゾン愛の媚薬-Again-」の配信を観ました。
時代に感謝ですね〜昔はもうチケット取れなかったら絶対観られなかったもんなぁ。
いつかアーカイブ配信も始まりそうな気がするので、
平日配信を見られない身としてはちょっと今後にも期待してしまう。

今回の記事はヴェネチアの紋章の印象的だったところ中心に感想を書いていきたいと思います。
※ル・ポァゾンの感想記事はこちら

ちなみに初演は見たことがありません!※ルポァゾンは主題歌知ってますね〜ってくらいです。
いや〜でも個人的にはこのプレお披露目としてすごく相応しいんじゃないかなと思いました。

今まで守られてきた伝統とそれを継承した新しい一歩という感じが、
今の雪組の状況と、演出が変わったヴェネチアの紋章と、
再構成されたルポァゾンとリンクしてる感じがしてグッときちゃいましたね。

めっちゃ古い感じがするのかなと思ったんですが、意外とヴェネチアはそんなに古い印象もなく、
結構楽しめました。おうちで配信見てると気が抜けてうつらうつらする時もあるので。。。(笑)
尽くしてきたトルコにも、認められたかったヴェネチアにも認めてもらえない悲劇。

さききわコンビはなんだろう、熟練した大人の魅力がありつつも、
すんごい落ち着いてるってわけじゃなくフレッシュさもあって。

暖かくて心地よい風というような雰囲気がします。これからの雪組も楽しみすぎる。

アルヴィーゼ・グリッティ(彩風咲奈さん)

アルヴィーゼは、ヴェネチア元首アンドレア・グリッティ(真那 春人さん)と
ギリシャの女性メリーナ(沙月 愛奈さん)の息子で庶子。
嫡子でないアルヴィーゼは貴族の身分になることが出来ません。
そんなアルヴィーゼはトルコで名を上げ、いつか一国の王となり、愛するリヴィアを妻にすべく
コンスタンチノープルでものすごい才覚を発揮し貿易商として名を上げます。

柴田作品の主人公って結構暴君が多いイメージでしたし、
ビジュアルだけしか見てなかったので暴君じゃなくてびっくりしました(そこかよ)

柔らかい雰囲気があるからこそ絶対に捨てきれない「紋章」への野望が際立ちます。
スタイルが良くてお衣装がお似合いでした。黒いお衣装が格好よかった。
スタイル抜群といえばモレッカですね。踊りが映える映える。

あともうキスがアクロバティックってこれかと、勢いつきすぎたら唇ぶつかって切れそう。
信頼とたゆまぬ鍛錬の結果のキスなんだと思うとすごいと同時にちょっと面白い。

もっとリヴィア(朝月 希和さん)とプリウリ(奏乃 はるとさん)の離婚が
難儀するかと思ったので意外とすんなりいってびっくりでした。
でもプリウリさんの気持ち考えると結構切なく無いですか?悪い人じゃないから憎めないんだよなあ。
アルヴィーゼとリヴィアがわりとすんなり一緒になれただけでも幸せって感じがしますが、
幼い頃から抑圧されてきた野望となるとそこで収まるわけにはいかなかったんでしょうね。切ない。

リヴィア(朝月 希和さん)

モレッカのところの落ち着いたオフな色味のドレスとってもお似合いで素敵でしたね。
というか冒頭の二人は10年ぶりのめっちゃ久々の再会なんだと思ってたんですけど、
別にそう久しぶりなわけでも無い?のかな。
アルヴィーゼと密かに愛し合ってた感じですもんね。ことあるごとにキスするの可愛い。

演じられる役の幅が広く、相手役さんをとても格好良く見せるという、娘役としての
なんでしょう技術?手技が素晴らしいですよね。花組仕込みの優美さと雪組仕込みのしとやかさ
そういうハイブリッド感を感じてとても好きです。彩風さんと並んだ時の雰囲気も良いですよね。

アルヴィーゼの後を追って身を投げるリヴィア。いや〜娘置いてっちゃうのか・・・。と思ったんですけど
身を投げるよりかはこれから羽ばたくみたいな表現になってるのが印象的でした。
柴田作品ならまあそうですよね。基本的にもう自分でいっぱいいっぱいになる人が出てくるイメージ。

描いている時代が、抑圧された貴族が出てくるものが多いから、
心情表現する前に限界に達すると思えば自然なのかも。
朝月さんの静かで耐え忍ぶ中にも情熱がある感じ、良かったな〜。

マルコ・ダンドロ(綾 凰華さん)

物語の中で狂言回し的な役割を担う人ですね。ザ柴田作品。
前半部分でアルヴィーゼとの男の友情的な、
信頼関係とか親密さがしっかり伝わってくるお芝居でとても素敵でした。
でもどれほど仲が良かろうと
マルコは貴族でアルヴィーゼは商人なんだよな。。そこがまた少し切ない。

高貴さと誠実さと優しさみたいなのを内包したお芝居が大好きです。
いや〜最後めっちゃビックリしたんですけど、いろいろ調べたら
あれは娘リヴィアを貰ってベネツィアの紋章を得るって意味だけじゃなく、
後見人として引き取れる年齢になったら結婚して修道院から出してあげるってことなんですね。

何も知らないと全然わからないので、
それを知っているか知らないかでかなり印象が変わるのでは!?と思いました。

広い世界で娘のリヴィアが羽ばたいてくのを見守るマルコと思うとめちゃくちゃ良い人だ。。。
誰よりも人を見送って辛いだろうに。自分の幸せも追求して欲しいですね。。。

オリンピア(夢白 あやさん)も腹に色々抱えてて大変な人生を送ってたし。
というか夢白さん歌が一層素敵になられてましたね!組み替えでこういう変化が見られる瞬間って
めちゃくちゃテンションが上がります。日々努力されてきたのだろうな〜。これからも楽しみだ。

俺たちはぐれ組(ヴィットリオ/諏訪 さきさん、ジョヴァンニ/眞ノ宮 るいさん、エンリコ/彩海 せらさん)

身分を同じくし、アルヴィーゼに憧れる人たち。いや〜アルヴィーゼの人望が感じられる。
こういう舞台の中でパッと明るい人たちの存在にどれだけ救われるか・・・。
ガールフレンドのみなさんもあらあらお揃いで・・・ウフフみたいな気持ちになりますよね。

前半それだけ明るかった分、
あの救いのない戦いに赴くと決めた時に「あああ〜〜いかないで〜〜」ってなりました。
そして従僕のカシム(一禾 あおさん)めちゃくちゃよかったですね。役どころもお芝居もよかった。
朝美さんのブリドリに出てた時から芝居が自然で良いな〜って思ってたので舞台での活躍をちゃんと確認できて嬉しくなっちゃった。

なかなか救いのない物語だったなと思うんですが、
美しさという観点で見たら良い演目だったなと思います。
でもやはり、これからの雪組はっせめてっ救われて欲しい!!!!

と思うのはだいきほコンビが好きだったからそう思うんでしょうか(笑)
さききわコンビの死別ができるだけ少なく済みますようにという謎の願いを込めつつ。
シティーハンターは死別という点では安心してみられそうなので楽しみです!!!

※ル・ポァゾンの感想記事はこちら

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