望海風斗さん主演のオリジナルミュージカルイザボーを観てきました!
ツイッターで見ると結構賛否両論だったのですが、私個人的には好きな舞台でした。
お恥ずかしながらフランス史に全然詳しくないので、わかりやすくて助かりました。
イザボーのあらすじ
イザボーの舞台はいくつかの派閥でフランスの王位を争う百年戦争の最中。
百年戦争の終結に大きく貢献したジャンヌダルクの話はかなりメジャーですが、
その時フランスの王であったシャルル六世(上原理生さん)は狂気王と呼ばれ狂っており、
実質的な権力を握っていたイザボー妃の人生を彼女の子供であるシャルル七世(甲斐翔真)と、
育ての親であるヨランド・ダラゴン(那須凜さん)と共に追っていく物語です。
彼女が周囲の様々な男性と関係を結び、最終的にトロワ条約の締結によってフランスの王位をイングランドに明け渡しフランス史上の最悪の王妃として名を残すに至った過程。
この時点で確実にイザボーが良い結末を迎えるわけがないのが確定しているのですが、
それに対してはぁ?だから何?と言わんばかりの生きる力強さに魅了されます。
感情としてはなかなか共感出来ないのについ応援したくなる、瞬間瞬間を思うがままに生きた人という感じで描かれていました。
望海さんの圧倒的な歌唱力により主題歌の説得力がものすごい
最悪な王妃が主人公の舞台だけあって、主題歌もちょっとダークな雰囲気で歌詞もかなり強気。
王妃様が舞台上に現れて結構大胆にスリットがあるお衣装で脚が見えるので、
ひょ〜!なんてこった〜王妃様っおみ足が〜٩( ‘ω’ )وって思ってたら
全ての愛は私のものと腕を上げながら歌われるので、もう観客的には「オオーーッ!!!」というテンションになりました。
なんかわかんないけどすごい人出てきちゃった…ってなる。
あと序盤の少女のイザベルはキラキラしてるのに大人のイザボーの前に現れるイザベルが結構邪悪な感じなの何なんだったんだろう。
イザボーの「幸せになりたい」という思いが純粋だった頃からいつしか自分を囲む呪いみたいになったというか、歪んじゃったみたいな表現なんでしょうか。
それにしても途中で「幸せかどうか知らんけど生きるわ!!!心配いらんぞ子供の頃の私!!」みたいな感じで開き直るのでつい笑顔になっちゃいましたね。王妃様はもう止まらないって感じで。
一回しか観てないので細部は色々拾えてないと思うのですが、
全体の物語を通して思うのはこの主題歌が全てを物語ってたんだなということ。
正直一般市民的にはかなり共感しにくい人なんですけど、でも彼女の価値観はこうなんだなって。
全ての愛も貴女のものなら、全ての絶望も貴女のものだったのねって。見終わった後すごく納得した!
その辺非常にスッキリした価値観で好感を持てていっそ爽やか。男性の描く強い女性という感じが良い方向に作用していたと思います。
私の人生を悲劇だって勝手に決めたのはお前らだからなと言わんばかりの生き様。
悲劇なんですけど、なんか観た後元気になるんですよね…。
出てくる人全員がめっちゃくちゃ歌が上手くて何言ってるか聞き取れて嬉しい
宝塚ではセリフが明瞭って当たり前なのですが、
普通の舞台って意外と何言ってるかわからないおじさんが一人は居る。
特にテレビで名が通ってるおじさんほど何言ってるかわかんないことが多い!!あとセリフ覚えてない!!と思うのは私だけでしょうか。
今回のイザボーに関しては本当に民衆の一人一人まで何を言ってるのか聞き取ることが出来て
歌も何を言ってるかわかりやすく、お芝居に集中できてとてもありがたかったです。
上原理生さん、甲斐翔真さん、中河内雅貴さん、上川一哉さんなどのミュージカルの経験豊富な男性陣に加え、なんと今回が初めてのミュージカルだったというヨランド役の那須凜さん!
めっちゃくちゃ歌もうまいし声も良いし聞き取りやすいしお芝居も素敵だし素晴らしかったです。
やっぱり何言ったか聞き取れなかったらその時点で一気に何の話かわからなくなるので。当たり前かもしれないけどすごく良かった点でした。
TRUMPシリーズに引き続き楽曲をご担当されている和田俊輔さん
イザボーを作・演出されている末満健一さんは他にも
TRUMPシリーズというヴァンパイアの話の舞台シリーズを制作されています。
私はその舞台も好きで結構円盤とか買ってるんですが、どれも楽曲がすごく現代的でありながら舞台にあっていて素敵なんですよね。
TRUMPシリーズもそうでしたが、照明の使い方が宝塚に比べてすごく派手で、
特に逆光を使った演出が多いイメージなのですが、そういうドラマティックな演出にも
寄り添った音楽がずっと流れるので観ている最中何度も(ああ〜サントラ出してほしい)という気持ちが湧きました。
なかなか難しいのかもしれませんがぜひぜひミュージカル中の楽曲のサントラを出していただきたいところです。
和田さんは自身の関わった舞台の楽曲についてのスペース(ツイッターで開けるラジオのようなもの)を開いてくださることがあるのですが
イザボーではその予定はないのでしょうか…WOWOWで4月に放送・配信されるそうですので
そのタイミングでもぜひご検討いただけたらと願ってやみません。
この舞台を望海さんの主演で観られたことに非常に意味があったと、そう思うような舞台でした。
イザボーはMOJOプロジェクト(-Musicals of Japan Origin project-)の第一弾ということで、
続く第二弾、第三弾と追っていくのが楽しみです〜!
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