一体私は何の話を見せられてたんだ…??が終わった後の正直な感想でした。
縣さんの主演も嬉しいし長髪のビジュアルは素敵だし、咲城けいさんのダンスは終始素晴らしいし、久城あすさんの包容力は言わずもがな素敵だし
音彩唯さんの抜群の歌唱力も堪能できて、華世京さんの素晴らしいダンスや歌に圧倒されたんですけど
話が本当に…個人的にはかなり虚無だなという感じでした。何…?
素敵なスターさんがいっぱいで雪組の未来は明るいなあ〜!!と思って帰りましたが…話は何…?何の話だったんだ…?この舞台を通じて一体何を伝えたかったんだ…?
FORMOSA!!のあらすじ
幼い頃に修道院の図書館で死ぬほど本を読み漁った結果空想力が逞しすぎる男が誕生し、
ロンドンで悪い神父とデカい詐欺を働く…!!
物語に関する感想
台湾誌という偽誌を発行しかつてロンドンの知識階級を騙した実在の人物「サルマナザール」さんを元に作られたお話なんですが、実在の人物の話だからか、この物語自体の空想力はそんなになく
見終わったあと「あぁ、そうですか…?」となりました。
縣さんのサルマナザールという男が…
しっかり集中して観劇したんですがこの人は結局最初から最後まで何がしたかったんだ?という感じの役で演じるのかなり難しかったんじゃないかと思います。
たとえば地位や名誉が欲しくてそれのためならなんでもしたい!!という人で、途中から嘘が大きくなりすぎて怖くなるとかだったら共感性があると思うんですが
別にそう言うわけでもなく…何がどうなってこんなことをしているんだ!?と自問自答しだすので、いやそれは観てる私もずっとわかんないけど…あなたもわからないんですか!?となりました。
縣さんの持つ素直さやまっすぐさはすごく役柄に活かされていたと思います。あとビジュアルも素敵でした。裏地がグリーンのお衣装や長髪もあわさってとても綺麗だったので。
うーんしかし、嘘をつくのが楽しくて仕方ないというわけでもなし、なんなんだろうこの役は…途中でヒロインのシェリルに向かって空想力を高めるんだ♫みたいに歌うんですが
本人が普通に大嘘で大衆を騙してる中そう歌われても…!?本当にこの人は何も考えてないのか!?となりました。
せめて大嘘を大衆にバラした後、シェリルがサルマナザールのボロ家を訪ねてきてからそう歌ってくれたらまだ意味はわかるんですが。
空想力あるのに想像力なさすぎるというか、自分の正体がバレることを恐れて学者殺しに行こうとするのがめちゃくちゃで笑いました。
久城あすさんの抜群の包容力が見られたと言う点ではよかったかもしれませんが、行動としてはこんなに胆力無いのによく大衆の前で演説出来たな…?という、そっちの説得力が危うかったです。
いずれ突っ込む人間全員刺しに行くシリアルキラーミュージカルになってもおかしくない…
華世京さんが素晴らしかった
お芝居も歌も踊りも素晴らしかったです。この物語の中の役としてかなり美味しい方であるにしても
それをしっかり活かした感じで…
終盤、もう詐欺はやめたいと申し出るサルマナザールに対してイネスさんがそれを許さず、
「サルマナザールの作ったフォルモサに囚われている!」みたいになるんですが
その前後にそこまでそういう感じが描かれていなかったので「えっ急にどうした!?」という感じはありました。
あとサルマナザールが嘘に怖気づき始めたあと、「誰にも注目されなかった男が大衆から注目されるようになった!!ああなったらもうやめられまい!!」みたいなセリフがあるんですが
サルマナザール当人がめっちゃ天真爛漫な感じなので「え?そうかな?」て感じで説得力無かったですね…。承認欲求なさそうでしたけどね…。
この人が大金を手に入れて結局何がしたいのかという話が無かったからイネスさんのことはよくわからなかったんだと思います。終始なんでそんなに稼ぎたいんだろうなこの人は…と思いながら見てました。
そのバックボーンが無い分、かなり難しかったんじゃないかと思うんですが見事に演じられていたなあという印象です。これまでのご活躍も素晴らしいですが、今後により期待が高まりますね〜!(^_^)
音彩唯さんの歌声も素敵!
どことなく真彩さんを思い出すような歌声ですごく素敵でした。セリフの延長にちゃんと歌がある感じで説得力があります。
役柄としても学者のお父さんに憧れてカフェハウスに潜入しちゃったりでお茶目。
ただお父さん刺し殺そうとした人に対して優しすぎる面はあるんですが…やっぱりサルマナザールさん危ないから近寄らない方がいいと思いますよ!!
絶対またやるだろ!!謝りながら刺しますよ多分!!( ̄▽ ̄;)
ビジュアルが素敵な面々、叶ゆうりさんや眞ノ宮るいさん、咲城けいさんなど
ダマルフィは金髪の眞ノ宮さんがすごくお綺麗で素敵でしたね!顔が良くてちょっとワルい神父みたいな感じで。
叶ゆうりさんのペンブローク卿もすごくビジュアルが濃くて合ってました。イネスさんと普段なにやってんだろうという怪しい絡みが魅力的。
空想世界の革命家であるメリヤンダノーを演じた咲城けいさんもダンス、立ち姿、お衣装ともに素晴らしくて出てくる場面では毎回絵になってましたね!
このお三方が舞台に出るたび目を惹きました。舞台観た時、画としてすごく綺麗だな〜って印象があった。
あとセットに関しても詐欺を働くのをやめてから手書きっぽいセットが無くなったりとか、細かいこだわりは感じられるんですが
話の大筋が本当にフワッとしていて…まあ空想世界のお話だからそれでもいいのかな?とりあえず個人的には近年観た中でかなり無を感じた舞台でした。まあ主人公が死ななくて良かったですね…くらいかな。ビジュアルや雪組の皆さんは素敵だったな〜という。
サルマナザールさん何も学んでなくないですか?言われるがまま逃してもらって、結局自分で何か挑戦したりするでもなくロンドンとの縁も切り離せず、ゴーストライターに落ち着いて…?
生活に嫌気が差したところでまたイネスさんが尋ねてきて、結局目先のことだけでこの先も人生やっていきそうな感じがありますが。
と、私はそんな感想を抱いたのですが…他の方の感想が気になる舞台ではあります!
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