今は何の花組?かつての男役の宝庫 花組の特徴

宝塚歌劇では、よく「○○の□組」って言い方あるじゃないですか。
ダンスの花組芝居の月組和物の雪組コスチュームの星組コーラスの宙組。みたいな。

かつての花組がどういう時代を巡って今に至っているのかということを
あんまり詳細に知らなかったな〜と思って、ちょっと過去の歴史を遡りつつ
それを踏まえて今の花組はじゃあ何の花組なんだろう?ということを考えてみました。

※「昔はよかったけど、今は男役の宝庫じゃない〜」って思ってるってわけじゃないですよ!!

「男役の宝庫」と呼ばれた花組

これの明確な由来って何なんだろうと思うんですが、宝塚ハマりたての頃wikipediaで読んだ時は
確か花組出身のトップスターの排出が多いから〜って理由だったと思います。

実際花組出身のトップスターの数は確か同時にできた月組より多いんですよね。
そして花組の方々自体も、宝塚といえば花組だ!みたいな矜恃がある感じがしますよね。
歴史と伝統が深い組として、一番クラシカルでスタンダードな「男役像」「娘役像」がしっかりある組です。

スカステの番組なんかで花組の特色は?という話になると
稽古場でも娘役さんを積極的に褒める」ということや
男役さんを引き立てる娘役として」という話題が絶対出るのも特徴的ですね。

組の男役としての矜恃がすごくあるのが花組ってイメージがあります。
「花組の男役として」の言い方が他の組よりも「一員」って感じじゃなく
「俺がヘッド張るくらいの心意気でやってやるぜ!!」みたいな気概を感じるんですよね。

最近は同じような気概を星組にも感じます。情熱パッション星男。
しかし星組の場合、宝塚の男役としてじゃなくあくまで「星組」の男役として!!!という気概がありますよね。

花組は歴史がある分、「花組の男役として」=「宝塚歌劇の男役の体現として」みたいなニュアンスを感じるので、
また星組とは違う感じの矜恃がある。まあ私個人の感想なんですけどね。

他の月・雪・宙組は結構「組全体」をより良くするための一員として自分も頑張る!というスタンスを感じる。
どれが良い悪いじゃなくて、そういう違いからも
花組はやはり歴史と伝統を重んじる精神と宝塚歌劇全体の代表としての自覚がどの組よりも大きい感じがするんですよ。
故に宝塚を運営する人事の需要と供給がマッチした結果、各組にトップスターが排出されて、
男役の宝庫と呼ばれるに至ったんでしょうね。

ショーの花組からダンスの花組の時代へ

ダンスやスーツや男役の宝庫はネットで調べるとそこそこ出てくるんですが、
2000年より以前からの流れでは、安奈淳さんと榛名由梨さんのダブルトップ時代で
「あかねさす紫の花」の初演、また代表作の「ベルサイユのばら」の上演がありました。
そして榛名由梨さんが月組のトップスターに就任後、安奈淳さん単独主演で「ノバ・ボサ・ノバ」の再演。
ノバ・ボサ・ノバは組全体に体力がないと絶対に出来ない演目ですから、
この頃の花組の充実度がしっかり伝わってきますね。

そしてダンススターの室町あかねさんやみさとけいさんと、
安奈淳さんの歌唱で「ショーの花組」としての定評を確立していきます。
室町あかねさんは退団後も振り付けとして宝塚に関わっておられましたし、
みさとけいさんも退団後演出助手として宝塚に関わっていました。

松あきらさんと順みつきさんのダブルトップ、高汐巴さんのトップ時代を経て大浦みずきさんトップの時代に。

大浦みずきさんはダンススターとして宝塚界隈では超有名ですが、
トップ時代は得意なダンスを非常に活かしたショーが多く作られて、ここでダンスの花組が確立されていきます。

また、ダンスが得意なことに加えて、黒燕尾がこんなに似合う人はいない!!!と
当時のファンを熱狂させるほどの身のこなしと衣装の扱いの素晴らしさ。
泥棒紳士、映像でしかみたことないのにとてもスマートでいて余裕があって、
衣装の布の翻りすらも美しくとても感動したのを覚えています。

スーツの着こなしが素晴らしい男役たち

安寿ミラさんのダンススターとしての側面と、
「宝塚の男役」としての繊細さと男臭さの塩梅も素晴らしいですよね。
未だ宝塚に関わるお仕事をされているのにも納得がいく堂々とした身のこなし。
どの組ももちろん矜恃がありますし、黒燕尾への思い入れがすごいですが、
やはりこの頃の花組の「着こなし」へのこだわりは凄まじかったんじゃないかと思います。

そして語るに尽くせぬ真矢みきさん。涼風さんのフェアリー感あふれる男役と対照的な
誰よりも色濃く人間らしいのに美しくて「男役」という凄まじい存在感。
この頃の映像とかみてると、スーツの花組ここに極まれりという感じがしますよね。

こうみていくとそれぞれの時代ごとの特色はあれど、スターの背中をみて育ったスターが花開いて…と、
それぞれが連綿と引き継がれて今に至っているのがわかります。
最近だと100周年の大運動会(最近?)で「スーツは花組の専売特許」という認識が
花組内に存在することが明らかになりましたが、蘭寿さんの背中を見てきた組子の流れからいくと納得でした。

今の花組は何の花組なのか?

個人的には「ダンスの花組」だと思います。
トップの柚香光さんがやはりダンススターであること、また組替してきた元宙トップ娘役の星風さんも
そこについていくだけのポテンシャルがある感じがするので、ダンスがより高みに登っていくんじゃないかなと。

でもデュエダンの凄まじさでいえば星組のことなこコンビが素晴らしいですから、
どう特色が出ていくのか楽しみですね。
星組は競技演目みたいなスピード感と一体感なので、花組は伝統的な宝塚らしさを追求していくのかも。
そして水美舞斗さんも「宝塚の男役」らしいダンススターですよね。
今後の主演演目の銀ちゃんの恋で、また男臭さや人間らしさに深みが増すのかと思うと楽しみです。

雪組から組み替えしてきた永久輝せあさんも軽やかなダンスが魅力の若手スター。
加えて芝居心のある方で、涼やかな雰囲気だけでなく、力強い雰囲気も年々増してきていますね。

柚香さんはトップになられてから静の役というか、圧倒的優男な役が多いので、
それもとっても似合っていて素敵なんですけども、
ダンスが得意なだけあって体を使った表現が美しいスターさんだなと思うので、
花組らしいがっつり男らしい役や妖しい色気があるような役が来るのも見てみたいですね!!

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