まさに百花繚乱という言葉が似合うような華々しいビジュアルの舞台でした。
谷貴矢先生ワールド炸裂という感じですが、
忠臣蔵という誰もが知っているお話をベースにしているだけあって
この先どうなるのかを自然に期待してしまう舞台でした。
忠臣蔵と言えば、そもそもどうして浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が
吉良上野介(きらこうずけのすけ)切りかかったのかが明らかになっていない。
今回の舞台はその「どうして切りかかる必要があったのか？」の原因に
オリジナルな要素を持たせた作品でしたね。
元禄バロックロックのあらすじ
赤穂藩主のタクミノカミ(聖乃あすかさん)が
コウズケノスケ(水美舞斗さん)に起こした刃傷沙汰が原因で切腹となり
藩が解体されてしまった元赤穂藩士で時計職人のクロノスケは
ついに時を戻せる時計(ポンコツ)を完成させた。
自由に時を戻し金儲けの道具として使うクロノスケ。
そんなクロノスケが足繁く通うのは賭場「ラッキーこいこい」
博打の結果を時間を遡り書き換え大きく儲けるが
本当の目当ては金ではなくその賭場を仕切る美女、名前は「キラ(星風まどかさん)」という。
「私だけを見ていれば良いの」と言うキラ。
すっかり惚れ込んだクロノスケは今日こそキラと一緒に！とキラを追いかけるが
そこで同じく元赤穂藩士の「クラノスケ(永久輝せあさん)」と再会する。
タクミノカミへの想いも何処かへ。
博打にハマり享楽的となり、女にうつつを抜かすクラノスケに驚きながらも
再会を祝しクラノスケの家に招待されるクロノスケ。
一方、忍を使い娘の「キラ」を探しつつクラノスケの同行を探るコウズケノスケ。
クラノスケが博打にハマってしまった報告を受け、楽観的なコウズケノスケに対し、
クラノスケを探る忍「ツバキ(星空美咲さん)」は
「享楽的である姿は嘘であり、実はまだその牙を隠しているのでは？」という見立て。
まさにクラノスケの家でクロノスケに打ち明けられたことこそ
未だ変わらぬタクミノカミへの思いと、コウズケノスケへの復讐への誘い
そしてコウズケノスケの娘である「キラ」という女を探している話だった。
赤穂藩への忠義と自身の恋の間で葛藤するクロノスケが選ぶ未来とは。
元禄バロックロック物語全体への感想
※この先から普通にネタバレしかないので注意してください※
新トップお披露目公演としてすごく良いんじゃないかと思いました！
楽しかったな〜！って最後に思える。
華やかな群像劇でクセのあるキャラクターが舞台の上を駆け巡って。
花が舞い散る中最後にはみんな笑顔。
しかも誰も死なないし！！見た目格好良いし！！
いや物語序盤でタクミノカミだけ死んでいますが、
悪役のコウズケノスケもちゃっかり助かってよかったですね。
にしても水美舞斗さんが高笑いする悪役なの新鮮！！
ショーの羽根で物議を醸してましたが、舞台を観ると圧倒的2番手だと思いました。
それだけ活躍する場面があって、逆に何で羽根が2番手じゃないんだろう？って違和感あったくらい。
しっかり活躍されていて安心しました〜。
タクミノカミ(聖乃あすかさん)の謎
今回の忠臣蔵の原因は時を戻せる時計の設計図を
コウズケノスケから取り戻すため
タクミノカミが刃傷沙汰を起こしたという設定になっていました。
タクミノカミの浮世離れ感！元々髪水色だったのか、
死後の姿が髪の毛水色なのかわかりませんが、美しかったです。
竜宮城の住人みたいな感じで、剣術は苦手そうというか弱そうだったので
あのコウズケノスケが背中を取られたのが意外ですね。めちゃくちゃ油断してたのかな。
天才なら刃傷沙汰の前に知力を尽くして取り返しそうな気もするんですけど。
ああ見えて意外と脳筋な城主なのかしら、それもまたギャップが良いと思いますが。。
ってそこは突っ込むべきじゃないですね、多分(笑)
キラ(星風まどかさん)の物語をもっと知りたい〜！
キラ可愛かった〜〜〜！！！！！！！！！いろんな髪型がありましたが、
谷貴矢先生テイストを感じる髪型多めでよかったですね、
ボブで青いメッシュが入った姿もロングでインナーカラーに赤が入ってる姿も
どっちも好き！
家に閉じ込められてる時は茶髪一色なので
そういうのコウズケノスケが許してくれなかったのかなって感じも可愛い。。
なんだかんだ根底ではパパは娘のこと好きじゃないですか、そこがあるのもよかった！
よくある時間遡行モノなのかな〜と思って観ていたんですが、
結果的にはキラの方が、討ち入りに加担して死ぬクロノスケを救うために
1年間をループし続けているということで。
このループし続けている時にどんな未来があったかお話に入れられていたら
もっとキラのループに説得力があったのかもなぁと思います。
時間的に色々難しいんだと思いますが、
私たち観客からするとクロノスケが助かったループしか観ないので、
キラがどんな思いでこの一年を繰り返しているか？がなかなか想像しにくくて。
そのため花火を見てキラがどれだけ喜んでも、普通にあっよかったねぇ〜ってなる感じで。
その部分は暗い話になっちゃうかもしれませんが
キラの巡ってきた時間をもっと知りたいな〜って思いました！
でもそうなるとクロノスケより目立っちゃうか〜〜・・・難しい。
そしてクロノスケの作った時計は未完成であり、キラが持っている時計が本物。
未完成の方がめちゃくちゃ大きいの面白いですよね。
あんなに大事に持ってたのに（笑）
全体の感想だけで長くなっちゃいました。いや〜れいまどめっちゃ良い〜〜可愛い。。
またそれぞれのお役についての感想も書きたいと思います〜(￣▽￣)
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