時代を築いてこられた偉大なスター、轟悠さんの最後の舞台の幕が降りました。
雪組トップスターとして時代を築き、専科でこれまで戦い続けてきたトップオブトップ。
最後の舞台は残念ながら観に行くことはできなかったのですが、私の短いファン人生でさえ
思い返せば印象的な舞台が多かったなと思い、特に好きだった舞台を振り返って見ました。
私が轟悠さんを最初に見た公演が2014年月組の風と共に去りぬでした。
その次に観たのは同じく2014年星組ロスグロ、そして2015年のオイディプス王。
そして2018年の凱旋門、2019年のチェ・ゲバラ。
2020年は配信ではありますがシラノも見たなあ。
私は轟悠さんのこと、特別顧問になられてからも理事様って呼んでしまうんですよね。
なんというかずっと前線で戦ってきた方だから、特別顧問に慣れなくて…!
轟さんの舞台で特に大好きだったのは風共と、オイディプス王でした。
風と共に去りぬ、大胆不敵なレットバトラー
またこの2014年の梅芸のスカーレットは当時の月組トップスター龍真咲さんでして。
私は前年の宙組の風共を観たのが初風共で、なんとなくそれぞれの登場人物はわかってる感じで観に行ったんですけど
誰よりも自由で、でも美しくて、手綱を握らせないようなスカーレットだったんですよね。龍さん。
めちゃくちゃ可愛いけど生きる力が強い。こころ模様がそのまま感情に乗る人として魅力でした。
でも轟悠さんのレットバトラーズがですねえ、本当に誰よりも男役の全てを体現したみたいな存在感と包容力で。
このバトラー船長ならスカーレットの移り変わる気持ち全てを、
余裕を持って受け止められる!と言う説得力がもう本当に素晴らしかったんですよ。
正直もう風共はお腹いっぱいよと思う気持ちもあったのに一気に引き込まれまして。
その二人があまりに舞台で輝きすぎていて、
トップスターとトップオブトップの共演ってこんなにすごいものなんだ!!って感動したのが懐かしい。
初めて轟悠さんを観たのがレットバトラーってすごく贅沢だったなと今思い返しても思います。
本当に観られて良かった。風共にそんなこと思うとは…。
オイディプス王、魂を削って命を燃やすような舞台
バウホール公演だったのですが、あの小さいはずのバウホールの空間が、
どこまでも無限に広がっていく暗闇のように感じる舞台でした。
舞台上には宙組の当時の若手の生徒が出ずっぱり、轟悠さん演じるオイディプスのセリフは
長く、重たく、難しく、心に沈んでいくようなのに、伝わる感情がしっかりあり、
よくこのセリフに感情を詰め込めるなとずっと圧倒されっぱなしでした。
ヒロインであり母親の役が凪七瑠海さんでしたが、たおやかで触れたら割れてしまいそうな繊細さと、
轟悠さんの力強い存在感とのバランスが素晴らしく、どうしようもない悲劇に向かう姿が痛ましかったです。
舞台としてはずっと本当にセリフが多く、場面転換もほぼ無いんですよね。オイディプス王は。
けれど、その言葉と感情に惹きつけられる。
私たちが口語で使う言葉より硬めの言葉で綴られる舞台なのに、すごく伝わってくる人間臭さがある。
強烈な体験だったなと未だ思い返す好きな演目です。
宝塚で生きてきた人
轟さんって誰よりも透明な透き通ったイメージがあるんですよね。
それは宝塚で過ごした時間が長いからと言うこともありますし、立っていた立場もありますし、
ご本人の感性もあると思うのですが、すごく澄んだ、本当に純粋な人なんだなって。思うんですよ。
だから表現したいものに対して湧いてくる力に説得力や迫力があって、本当に素晴らしいですよね。
私の語彙じゃ表しきれないんですけど、71期のテトラボイスを見ていても本当にそう思いました。泣けましたねあれもね…。
100周年の瞬間の宝塚を観られたこと、その歴史を築いてきた偉大なスターの舞台をたくさん観られたこと。
良い時代に産まれたなって思います。
轟悠さんの姿にどれだけ感嘆したことでしょうか。グラフや歌劇のポートレートでの彫刻のような美しさ。
舞台で見せる荒波のような感情の奔流。素晴らしい瞬間を本当に、ありがとうございました。
ディナーショーが素晴らしいものとなるよう、無事開催されますよう、願っております。
ううーー!
ちょうどスカステの汝鳥怜さんの轟悠さんへの激励を見ていたら泣けてきました、なんて美しい関係性なんでしょうか。。
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