宙組圧巻の「シャーロックホームズ」の感想

あまりに楽しみすぎて見る前から楽しみすぎるという記事を書いた宙組公演、
「シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot-」の感想です!!
全部載せショー『Delicieux(​デリシュー)!―甘美なる巴里―』の感想記事はこちら

もうこの出だしのテンションからわかると思いますが最高でした…。
座席もSS席だったので余計感動が大きかったかも。

さて、今回のシャーロックホームズに懸ける生田先生の想い、
もうパンフレットからガンガン滲み出てますね。
この時点で期待がめっちゃ高まってますよ。もともと高かったのに(笑)

結局シャーロックホームズの原作はバスカヴィル家の犬の途中で止まってしまっているのですが、
それでも十分楽しめる内容でした。
アイリーンアドラーは私が読んでいる時点では出てきていなかったのですが、
物語の中で十分に説明があったので、すんなりと立ち位置が理解することができたのもよかったです。
ワトスンくんの恋人であるメアリーは原作を読んでいた分、役作りが素敵だな〜とか思えてよかった。
よかったしか言ってない。

お話としては、もし切り裂きジャック事件がモリアーティ率いる犯罪組織によって引き起こされていたら?
という話でした。短い時間でうまいことまとめてあったんじゃないかなと思います。
何目線って感じなんですが。それぞれの役ごとに素敵だった点を書いていきたいと思います!

さて今回の公演は107期生の初舞台の口上があるのですっしー組長の声で開演アナウンス。
すっしーさんの声がすごく好きなので、
こうして劇場にひびく声を聞くと落ち着くというか、
「宙組を観にきたんだ〜」って幸せな気持ちになります。

いつも通りの口上が、いつも通りオーケストラの指揮とともにあること、なんて尊いんだ…。
無事初舞台の幕が上がって良かったね…とこの時点で近所のおばちゃんモードに突入してしまい、
涙腺が大変なことになってました。なんであんなに初舞台生って眩しいんでしょう。
いや〜タカラジェンヌみなさん限りなく眩しいんですけれども。

口上が終わると拍手とともに緞帳が降りてあらためてシャーロックホームズのアナウンス。
またこの真風さんの声がめっちゃいいんですよね〜〜〜〜〜〜好き。さて役の感想です。

シャーロック・ホームズ(真風涼帆さん)

合ってるだろうなと思ってましたがめっちゃ合ってましたね。
偏屈で自分が好きなことにだけ興味津々で、でも宝塚らしく少しヒーロー感が足されていて、恋愛感情もある。
生田先生がパスティーシュものとして語られていたのがすごくわかるなと思いました。
パスティーシュって当たり前のように言ってみましたが、私も今回まで意味知りませんでした。
フランス語で模倣って意味らしいですわよ奥様、生田先生の言葉はいつだって難しいわよ。

やる気がない時のつまんないつまんない〜〜って駄々こねてる感じが可愛くて可愛くて。
真風さんの住んでる部屋にしては汚すぎるのも可愛くて。(笑)
でも推理となると前に乗り出して目を輝かせる姿がシャーロックホームズそのものでよかった〜。
ちゃんと英国紳士然とした動きもしてくるのが素敵。
だから今もなおシャーロックホームズの人気があるんだよなぁっていう部分が
説得力を持ってしっかり打ち出されていて素敵でしたね。
でも、ワトスンくんには生きてること教えてあげて〜〜〜!!!!!!!!!ってなりました。
教えないのかな、その辺が大人な終わり方でちょっとビターさがあって良かったですね。
何事にも合理的なホームズらしい幕引きです。

アイリーン・アドラー(潤花さん)

宙組へようこそ(改めて)!!!!!って感じなんですが、
ちょっと小悪魔系で、でも本当は脆いところもあって…っていうのが
まさに今出来る役という感じでよかったですね。
不安があるのを必死に隠そうとするけど全然取り繕えていない感じが可愛くて、ちゃんとヒロイン感がありました。
冒頭に書いたとおり、私は原作途中までしか読めていないので、
アイリーンアドラーについて何も知らなかったんですけども、
今回のお話ではモリアーティ率いる組織から逃れるため、ボヘミア王をユスり、その事件でホームズと出会い、
3年後にオペラ歌手としてスカラ座からやってきたみたいな感じでしたね。
真風さんと並んで立っていると大人な雰囲気があって素敵でした。
星風さんがすごくおぼこい顔で可愛かったので(大人の女性ももちろん演じられてましたが!)
また新しい雰囲気のトップコンビのこれからのご活躍に期待大です。いい雰囲気じゃないですか〜。

ジェームズ・モリアーティ(芹香斗亜さん)

私が一番書きたかったのここなんですよね。
あの役作りズルすぎません!?これぞ2番手男役の旨み!!!って感じの純粋な悪。
まさに最近の物語の悪役らしい
「悪いことに対して悪いと全く思ってない、京楽的な悪」として描かれていて斬新で素敵でした。
(原作を最後まで読めていないので、原作の時点でモリアーティがそういう人なのかもしれませんが。)

私がそういう悪そのものみたいな悪役大好きなせいで、途中からモリアーティばっかり観てしまいました。
何より話し方がすごい楽しそうなのがまた良いんですよね、
自分の思い描く理想にうっとりしてその世界から全く出てこないみたいな。
そう、自分の思い描く未来に陶酔し続けている感じが良かった。なんか溺れてるんですよね、何かに。
不要なものに対して徹底的に冷酷なんだろうなという面もしっかり感じられる役作りで、
そこも素敵でしたね〜。もう素敵でした以外語彙がないことがバレバレだと思うんですが。

余裕たっぷりですし、ホームズのことも一つのコマとしか思ってない。
なんなら計画が狂ってキレたとしてもその後の立ち回りを考えることでまた機嫌を直しすらしそう。
合理的さを極めてしまった結果、大切にしているものが無いというか、
失うものが無い人間が一番強くて恐ろしいという感じが良かったな〜〜伝わってますか?!?!?

最後のThe Game Is Afootめちゃくちゃ格好よかった〜。
ホームズvsモリアーティってめちゃくちゃわかりやすい構図で。私も指差されたい。
ていうか今回の舞台めちゃくちゃセットの機転も演出も良かったように思います。
テーマがわかりやすくて良かった。プラチナブロンドなのズルいよな〜〜〜〜。

そして最後の余裕たっぷりな感じですよ。これぞ悪役。
生田先生がシャーロックホームズの登場人物全員愛してることがすごい伝わってきましたよ。

ホームズの仲間達

またホームズを取り囲む周囲のキャストが、
このホームズを作ってるんだなっていうのが伝わってくる感じが良かったですね〜

ジョン・H・ワトスン(桜木みなとさん)

唯一の普通の人としてのワトスン君としてのたたずまいが素晴らしかったですね。
全然目立ったことはしませんからね、それがワトスン君なんですけども。
その素朴な良さがシャーロックホームズの友人としての絆の深さを
しっかり感じさせてくれてとても良かったです。

あと恋人のメアリーとラブラブなのも可愛い。大家さんに唯一頼られているところも可愛い。
私のホームズはモースタン嬢を助けて恋人になりましたよ〜くらいで止まってるんで、
この二人こんなにラブラブになるんだと思うと可愛くて仕方なかったです(笑)

ホームズをちゃんと誇らしく思いながらも友人として見守っている感じがあ〜〜ワトスン君だ…って。
ホームズを紹介するようなナンバーを歌うのがワトスン君なのも良かった、
やっぱりそうですよねって感じで。(ガッツポーズ)

ワトスン君は後でロシアの偉い人に扮装して公共の場で思いっきりモリアーティに刺されたり、
相変わらずホームズに無茶苦茶なことやらされて振り回されてて可愛かったな。
それでも相棒なんだっていうのが良いんですよね、それがシャーロックホームズの良さなんですよ。

シャーロックホームズの葬式のところ本当にかわいそうで私は泣きそうでしたよ〜〜。
本当に生きてることだけでも教えてあげて欲しいですね、それでスネるところが見たくなる(笑)
そういうお茶目さと真面目さと、しっかりとした普通を踏襲した素敵な役作りでした。良かった!!!!!

マイクロフト・ホームズ(凛城きらさん)

ホームズのお兄さんのマイクロフト。政府高官とは兄弟そろってすごいな〜って感じなんですが、
このお兄さんのホームズよりも社交性と常識がある感じがすごく良かった。

あの弟に対して全然卑屈にならないってなかなか出来た人だと思うんですよね、
自分は自分の成功を抑めるみたいな。役割をきちんと知っている人というか。

家族として暖かくホームズを見守ってきた人たちがいたから、
ああして子供のように純粋で、それでいてその力を正しく使える人として、
ホームズが育ったんだろうな〜というバックグラウンドが感じられました。

出会った人にすぐ推理を見せつけちゃうところが兄弟お揃いで可愛いですね。

メアリー・モースタン(天彩峰里さん)

いや〜もう可愛い。モースタン嬢の確かにお嬢さんだけれども、
たとえ自分が恐ろしい状況だとしても、
自分よりも怯えていたり脅かされている人を見るとしっかり励ます気丈さが原作ではあったじゃないですか。

まさにアイリーンアドラーにシャーロックホームズの話をするところが完全にイメージ通りで。
可愛いだけじゃなく、理知的で冷静さも兼ね備えた素敵な女性として演じられていましたね。
ワトスン君も常にデレデレで可愛かった〜。

G・レストレード警部(和希そらさん)

ちょっと自信家でちょっとモミアゲが多い感じの警部。原作ではおなじみですね。
ホームズの力を借りて最終的には自分とヤードの地位が上がるって構図に
そこまで頓着が無さそうな感じが原作どおりで良かったですね。
自分の仕事にちゃんと矜恃がある警部。
解決できる事件は自分たちの手で!というのがきちんと伝わってきて良かったです。

ホームズに言われて全面協力するスコットランドヤード。
踊る大捜査線だったらこれだけで一本映画できますよね(笑)

モリアーティの仲間たち

フォン・ヘルダー(松風輝さん)

俺たちの大好きなイカれたまっぷーさんだ!!!!!!!!

という感じで久々にイカれた松風さんを見られて嬉しかったです。
べつにイカれた役が多い人じゃなかったんですけど、最近は良い人が圧倒的に多かった気がするので
もうこの舞台のどこに居てもイカれた感じがしっかり出てるのを観てさすがだなとずっと思ってました。

フレッド・ポーロック(瑠風輝さん)

メガネにピアスにやりたい放題ですね。(ありがとうございます!!!!)

いや厳密にはモリアーティの仲間じゃないんですけど、モリアーティの仲間でもあるので。
途中まで全然セリフがないので、何あのメガネのイケメン、
暗号の天才なんですか!?脚長っってずっと思ってましたし、
たたずまい的に宝塚のオネエキャラぽかったので、オネエの人なのかなと思って見てたんですけど、
実はマイクロフトが手配した政府高官の方ということで、ホームズの家にきたら粗暴になるから、
そこでようやく「ああ、男の人だったんだな」って思いましたね。何の話って感じなんですけど。
というかモリアーティのアジトで紹介された時の手の指の動きですよ。
美しすぎる。めちゃくちゃ見ちゃった。メガネをひらひら弄ぶ手の動きすら美しかった。

セバスチャン・モラン大佐(鷹翔千空さん)

いや〜ポーロックとは違ってワイルドな雰囲気で良かったですね。
めちゃくちゃ顔が綺麗。(すんごい顔が綺麗)

鷹翔さんは舞台での立ち姿めちゃくちゃ凛としてますよね。
イカれたまっぷーさんと仲良さそうだな〜と思って見てました。
武闘派っぽいというか、常に目がギラギラしてて可愛い。(可愛い??)

J・モリアーティ大佐(紫藤りゅうさん)

こっちもまたお兄さんが居るのがね〜〜〜〜良いですよね。
しかもこっちの兄弟も弟のほうがちょっと特殊な感じなんですよね。本当に正反対という感じ。
紫藤さんって圧倒的に光属性なイメージがあるので、あえて悪役に配置するところ、
生田先生〜〜〜〜〜〜って思ってました。
なんだか私のなかで、心の生田先生に話しかけるの流行ってるのかもしれません。

完全に予測や制御不能な弟にちょっと畏怖を覚えているのかもなという雰囲気が良かったですね。
兄としての面目とか多分モリアーティ兄弟には全くないんじゃないかという感じ。
名目がそうだから「兄さん」と呼ぶし、それが正しいから「家族」として扱うけども、
弟ジェームズにとっては、きっとお兄さんもただの駒なんだろうなというのがビシビシ伝わってくるのが良かったですね。
でもお兄さん最後の滝の場面でちゃんと弟のこと守ろうとしてる雰囲気があって、
やっぱりこっちの兄弟もお兄さんの方が社交性と常識があるんだな〜と思って見てました。

一般家庭って結構逆だったりしません?
長男長女がちょっとフワっとしてて、次男次女がちゃきちゃきするような。

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宙組ファンとしては94期の方々が同じチームでずっと一緒にいるところに愛を感じたり、
えびちゃんが通し役として存在してるところに愛を感じたり、いろいろあったんですが、
やはりお話が綺麗に纏まっていた分大きな見せ場というのはなかったな〜と思います。
でも全体的にシャーロックホームズへの愛に溢れた素晴らしい舞台だったんじゃないかなと。

私は原作をリスペクトしながら宝塚らしいアレンジをきちんと入れた舞台が好きなので、今回の本当に良かった〜。

ショーではたくさん退団者の方々の見せ場があったので、
そのあたりの感想もショーの感想記事で書いていきたいと思います!
いや〜SS席で浴びる宙組、シャーロックホームズ、私的にはすごく良かった!!!!うんうん。

『Delicieux(​デリシュー)!―甘美なる巴里―』の感想記事はこちら

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