日本物の雪組の未来が明るくありますように

花組月組とそれぞれ歴史を振り返って伝統について見てきましたが今回は雪組!

日本物の雪組とは一体どの頃から言われ始めたんだろう?
これからの雪組はどうなっていくんだろう?

元々は「芝居の雪組」だった

宝塚歌劇団が空前のブームを迎えたのは私たちもよく知る「ベルサイユのばら」ですよね。
そして当時のトップスターが
ベルばら4強とも呼ばれる4人「鳳蘭さん・安奈淳さん・榛名由梨さん、そして雪組トップの汀夏子さん」です。
(この頃の宝塚を知らない私にとっては、パワフルで若干ハラハラするトークをする方々で
「ベルサイユのはら」とか、「ウエストサイズフトーリー」のパワーワードで爆笑させてくるイメージが強い。)

私自体はこの時代に宝塚を知らないので、人づてに聞いた話になってしまいますが、
当時この中でも汀さんの人気はすごいもので、
汀さんのオスカルと、まだ研5だった麻実れいさんのアンドレのバランス感が当時のファンを熱狂させたそうです。
汀さんが163cm、麻実さんが172cmという身長差も美しくオスカルとアンドレとしての存在感を際立たせたものでした。

汀夏子さんのお芝居はその小柄さを感じさせないエネルギッシュさがありつつも、
脆さも内包したような繊細さが魅力で、この頃からすでに芝居の雪組と呼ばれていたのだとか。

代表作として「あかねさす紫の花」や「星影の人」が挙げられます。
特に「星影の人」は汀さんがデビュー50周年記念の際もう一度演じたい役は?と尋ねられ「沖田総司」と答えられたほど、ご本人の心にも残るお役だったようです。

星影の人は初演から2度にわたる再演まで全て雪組が上演しており、
「日本物の雪組」としての素地のような感覚がありますね。

「日本物の雪組」として

「雪組の日本物の代表作」として未だファンの方も雪組の方も挙げられるのは
やはり杜けあきさんの「忠臣蔵」なのではないでしょうか。

代表作として挙げられるのは「忠臣蔵」以外にも「華麗なるギャツビー」や「ヴァレンチノ」、「ベルばら」など
がありますね。
こうしてみると巨大な黒幕からコメディタッチの演技、
そして「もはやこれで、思い残すことはござらん」のセリフが有名な大石内蔵助まで。
幅広い役柄を抜群にこなされ、菊田一夫演劇賞も受賞されている堅実な実力者です。

そしてその素晴らしい実力者であった杜けあきさんの下で育ったのが
次期トップとなる一路真輝さん、高嶺ふぶきさん、
轟悠さん、海峡ひろきさん、香寿たつきさん、和央ようかさんなどなど物凄いメンバー!

こうみるとこの頃から既に堅実にひとつひとつを重ねていくスターの人たちが多いですよね。
今の雪組もスター性でキラキラ!!!!(大和悠河さん的な感じ)というよりかは、
しんしんと降り積もる雪のように努力を積み重ねてきたスターが光る組という感じなので、
伝統としてそういう傾向があるのかもしれません。

そして杜けあきさんの後のトップスターが一路真輝さん。
エリザベート初演を大成功に導いた一路さんですが、
麻実れいさんの相手役として「羽ばたけ黄金の翼よ」のクラリーチェをやってたの結構衝撃ですよね。
正統派の二枚目から初々しくて可愛い娘役も、トート閣下もこなされる。
エリザベートも有名ですが、あかねさす紫の花のお芝居の評価も高く、日本物の雪組としての矜恃を感じさせます。

日本物は耐えて耐え忍ぶような恋愛模様が魅力の作品が目白押しですから、
堅実な実力を積み重ねるタイプのスターが伝統的に多い雪組の男役さんにハマったというのが
「日本物の雪組」を作り上げた1番の要因だろうなと思います。宝塚はあてがきですからね。

閑話休題

2014年の夏、壮さんの退団公演の当日券に並ぶため、東京宝塚劇場の前で列にならんで座っていたとき、
朝海ひかるさんのファンのお姉さまに話しかけられたことがありまして。
「私はね、コムちゃんのこととっても大好きだけれどね、本当に真面目でね、お話もね真面目なの…」
とお茶会でのエピソードを話していただいて、
やっぱり雪組って堅実な感じの人が多いんだな…と妙に納得したことを思い出します。
轟悠さんの挨拶も昔から超真面目というか、お客様の前だからということもあってか、
ユーモアを全て廃しているというかそんな感じで、伝統なんだなあと。

あと雪組って和装が似合う横顔美人がめちゃくちゃ多くないですか!!!!
そりゃ着物着せたくなるよね!!!(最後の最後に完全に個人の感想)

これからの雪組の伝統は

水さんや音月さん、壮さん早霧さん、望海さんときて、彩風さんの時代が始まろうとしています。
個人的には望海さん真彩さんの歌唱力抜群歌で全員倒す系ミュージカルトップコンビよりも

彩風さんと朝月さんはしなやかに魅せる静かな魅力という感じがしますので、
また和物が増えるのではないかな〜と個人的に思っております。そして楽しみ!
どっせ〜〜い!!!というよりもシュッッッ!!!!って感じがします(何????)

近代の雪組でも、るろうに剣心や星逢一夜など和物の名作は生まれ続けていますし、
雪組子の方々も雪組は日本物への矜恃があることをご自身の口から語られる機会が増えてきたように思います。

堅実で穏やかな雪組に、実力が積み重ねられるような、暖かい日本物が回ってきますように!
でも洋物でももちろんいいですよね!
どっちだよって?!どっちも嬉しいよ!!(彩風さんの脚がめちゃくちゃ長いので)


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