華麗なるギャツビーから再編されたグレートギャツビー。
2008年に日生劇場公演が行われて以来の再演となります。
小池先生の描く男は結構な確率で
野望を持っていて・純粋で・初恋に敗れがち。
グレートギャツビーは三要素全てが揃う演目ですよね。
最近で言えば雪組公演のONCE UPON A TIME IN AMERICAも近いものがあったかと。
グレートギャツビーのあらすじ
物語の舞台は禁酒法時代のアメリカ、ニューヨーク郊外。
この地に引っ越してきたニック・キャラウェイ(2番手格)は、
隣家で毎晩開かれている盛大なパーティーに足を踏み入れる。
隣家は非常に大きな屋敷で、屋敷の主人「ジェイ・ギャツビー(主演)」は人々の話題の中心だった。
禁酒法の違反の疑いを持ち、パーティーに踏み込む警察官。
そこに現れるジェイ・ギャツビー。眠るゲストの一人を起こす、彼こそ警視総監だった。鮮やかな手腕で場を収めるギャツビーと、彼に関心を抱くニック。
隣人であることをきっかけに話をするニックとギャツビー。
そこでギャツビーは自分にとっての永遠の恋人である「デイジー(ヒロイン)」が
ニックのまた従姉妹であることを知るのであった。
デイジーの夫であるトム・ブキャナン(3番手格)はニックの大学時代の友人。
トムは華やかな出自と大学時代フットボールのスタープレイヤーだったこともあり、
人の気持ちを解さない傲慢な面のある男で、
デイジーの夫でありながらも愛人を持っている。
デイジーの結婚生活は幸せと言えるものではなかった。
ニックとの会話から対岸にギャツビーが住むことを知るデイジー。
かつて互いに惹かれ合った二人の再会と、虚しさ。
ジェイ・ギャツビーという男の人生と哀愁を描いたミュージカル作品。
グレートギャツビーのネタバレ
※以下ネタバレ。あらすじだけで十分よって方はお戻りくださいね※
ヒロインであるデイジーの夫トム。
その愛人のマートル。
そしてマートルの夫のウィルソン。
マートルの死をきっかけに物語は不穏な方向へ進んでいきます。
いつもトムが乗っている車に
ギャツビーとデイジーが乗っていると知らず近づくマートル。
その時運転していたデイジーは
ギャツビーの出自の話や経歴を聞いて自分が騙されていた!と気が動転しており、
マートルを轢いてそのまま走り去ってしまう。
デイジーの罪を庇おうと、自分が運転していたことにするギャツビー。
愛する妻マートルを亡くしたウィルソンに、
マートルを愛人にしていたトムが告げる。
「あの車を運転していたのはギャツビーだ」と。
そしてギャツビーはウィルソンに射殺され、一人みじめに死んでしまう。
彼の葬式には誰も参列しなかった。
ラストパーティーとグレートギャツビー
ラストパーティーは植田景子先生が演出している作品で、
スコットフィッツジェラルドの物語。
グレートギャツビーはスコットフィッツジェラルドの書いた小説が原作の作品。
このどちらもの主演をこなす月城かなとさん。
芝居が達者で、着実に実力を伸ばされ今や一人の男の孤独を演じるに相応しいと判断されたのでしょうね。
初演の杜けあきさんの大人の男の渋さあふれるギャツビーと
美貌がずばぬけていた鮎ゆうきさんのデイジー。
再演のどこか虚無感のある姿が繊細な瀬奈じゅんさんのギャツビーと
夢みがちなだけではなく地に足のついた雰囲気のある城咲あいさんのデイジー。
新生月組のトップコンビはどんなギャツビーとデイジーを見せてくださるのでしょうか。楽しみです。
ONCE UPON A TIME IN AMERICAを経た小池先生の演出に期待
ギャツビー以外にもネバセイやロミジュリなど最近は再演祭りのような小池先生ですが
ワンスの孤独や哀愁の描きかたは絶品でした。
大劇場公演として帰って来るグレートギャツビー。
前回の再演ではギャツビーにクローズアップするだけでなく、
その周囲のキャラクターの造詣が深まる演出が追加され、
よりギャツビーが「一人」の人間である虚無感や孤独感が打ち出されていました。
ワンスのヌードルスは映画版よりも、
ヌードルス個人の葛藤がクローズアップされていましたね。
演じていた望海さんが深い底で煮えたぎるような演技が得意だったのもあると思いますが、かなり好きでした。
グレートギャツビーの今回の演出でも
孤独感に加えて「人間くささ」がもっと押し出されるんじゃ無いかと期待しています。
というか大きい劇場で洒脱に決める孤独な男を月城さんがやるのが嬉しすぎる。
本公演でひたすら格好良い男をやるの、何年ぶりですか!?って感じがします。
嬉しいな〜。。
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