花組公演『蒼月抄(そうげつしょう)』-平家終焉の契り-を観劇してきました!
物語も舞台上の演出も美しく、そして極美さん良い役でしたね…!
源平合戦って勝った源氏側の物語を見る方が比較的多い気がするんですが、敵に回った源義経の恐ろしさですよ。希波さんの可愛らしさのあるお顔と戦法のえげつなさが良い対比になっていました。
そして熊倉先生の作品はGolden Dead SchieleとFORMOSA!!を観劇したことあったんですが
私は今回の蒼月抄が一番好きでした!そして元花組の体制がトップ永久輝さん、極美さんと聖乃さんの2番手二名体制だからこそ
信念の強さを同程度に描けた部分があるかもしれないし、そこが今回の作品の良さに繋がっている気もしました。いろいろな感情があると思うので下手なことは言えませんが!
蒼月抄のあらすじ
平清盛(英真なおき さん)のもと、京の都で最盛期を迎えた平家。若き武将である平知盛(永久輝せあさん)は花山院藤原家の明子(星空美咲 さん)との縁談を結ぶ。
父、藤原忠雅(紫門ゆりや さん)によって家のため利用された明子は清盛の前で「平家の没落」という言葉を口にしてしまう。
清盛からその場で斬り捨てるように命じられ刀を向ける知盛。
その間に割って入ったのは心優しい弟の重衡(聖乃あすか さん)であった。
清盛の生き写しのような生き方をしている知盛、源氏との戦いの中で民家や寺を焼いたことから平家を護るということを戦以外の方法で模索する重衡、
そして知盛と明子の子である知章(美空真瑠さん)の師でもありながら、
平家一の武将として戦場で戦い抜くことを信条とする平教経(極美慎さん)、
放棄した源氏と反平家の勢力と味方の士気、弟たちのそれぞれの思惑の間でどうにか平家を繋ごうと考える平宗盛(一之瀬航季さん)
それぞれの信条や想いを交錯させながら、やがて平家は源氏との最後の戦いの舞台、壇ノ浦へ追いやられる…
永久輝さんと星空さんの多くは語らない夫婦の絆が美しい
お互いがお互いの役割と家を理解した上で、運命を共にしたいとしている姿が日本物らしい静謐な愛を描いていて素敵でしたね。
二人の子である知章(ともあきら)が一ノ谷の戦いで知盛(永久輝さん)を逃すシーンも辛かったですが
私は壇ノ浦の戦いで二人一緒に行く道を選べない、あのシーンでの手を重ね合わせるダンスがめちゃくちゃ涙腺に来ました_:(´ཀ`」 ∠):
静かで美しい愛と、知盛もどうにかして生き延びることを是としないことの辛さと潔さが…。
知盛と知章、父と子、立場と役割
美空真瑠さんの迫真のお芝居が素晴らしかったですね。
知章が犠牲になった後に、源氏側に捕まった重衡を解放する条件として三種の神器を差し出せと言われるシーン。
あそこでの知盛の心情を思うと本当にやりきれません。
守ってきたものはなんだったのか、じゃあ何のために知章は死んだのか!みたいな感じなんじゃないかなって。
それはもちろん平家のためでもありますけど、知章自体の心の中に知盛に生きて欲しいというのもあったと思いまして…でも生き延びた知盛にとっては平家としての誇りを胸に死んでいくことが誉で…。
あの時交渉に応じようとなっていたところに走り込んできた教経って知盛にとってはすごく希望になったんでしょうね。滅びるのに…滅びるのに…!!!
そして皆を思って決断をする平宗盛(一之瀬航季さん)の声音がまた素晴らしいんですよ。セリフは多くなくとも、そこにちゃんと心があるお芝居で印象的でした。
決して穏やかなだけではない重衡(聖乃あすかさん)と一本筋の通った教経(極美慎さん)
この二人の対比良かったですね〜。特に重衡が単に優しい人間として描かれているのではなく
「和睦を選ばなかったのなら、最後まで戦い抜け」という考えが覚悟の決まった武士らしくて重衡もやっぱり侍なんだ…_:(´ཀ`」 ∠):と思いました。義を貫く姿が格好良かったです。
重衡が和睦を進言した時の時子(美風舞良さん)の声も本当に素晴らしかったです。
そして義経(希波らいとさん)相手に何度も衝突し最後まで戦い抜く教経(極美慎さん)は平家にとっての揺るがない誇りの象徴みたいな人で
あの姿に知盛含めた皆がどれだけ励まされただろうと思うと格好良かったですね。
怪我一日で治るし。と思ったら翌日の壇ノ浦で甲冑の外まで血が滲んでいて教経…と思いました。豪放磊落な方ですね。
強過ぎる太陽の光を浴びた月のお話だった
観終わった後そう思いました。平清盛という圧倒的な太陽の光に皆が灼かれた時代の栄枯盛衰。
それを語る月夜の舟。波の中に消えていくかつての喧騒。
初めて平家物語の冒頭を読んだ時のような、その栄華に想いを馳せては今の景色にちょっと虚しくなる。
けれどそこで生き、戦い抜いた人々の生き方はどうしようもなく美しくもある。
そんな印象を受けるお話でした。滅亡譚ということもあり消耗が大きそうなお芝居ですが
千秋楽まで花組のみなさんが無事走り抜けられますように!
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