過去イチ良かった「琥珀色の雨にぬれて」月組感想

お久しぶりです!バタバタしていて間が空いてしまいました。
最近は配信で宝塚を観ることが多くてなかなか劇場に行けません_:(´ཀ`」 ∠):
しかしっ!久しぶりにっ!全ツ月組の観劇が叶いました〜!!

鳳月杏さんと天紫珠李さん率いる新しい月組、期待大です。
個人の意見なので各々の一番はあるとは思いますが
私としては今まで見た琥珀色の雨にぬれての中で一番物語に感情移入できてびっくりでした!

琥珀色の雨にぬれてのあらすじ

第一次世界大戦後、軍隊から戻ってきたクロード(鳳月杏さん)は朝の散歩の途中、
たくさんの取り巻きに囲まれたシャロン(天紫珠李さん)に出会います。
森の中でタンゴを踊るシャロンはクロードにとって森の妖精のように見えました。
シャロンに心惹かれ眺めていると取り巻きの中の一人、ジゴロのルイ(水美舞人さん)に忠告されます。

シャロンは貴族のクロードと違う世界に生きていてクロードとはとても釣り合わない。
彼女を落とせるのは自分だ
と。

言い返すうちに二人はどちらがシャロンを口説き落とせるか勝負しようという話になります。
一人の女を二人の男が追い求める宝塚らしいやつですね。(歌が軽妙なのでそんなにいやらしい感じはない。)

そんな楽しいやり取りも束の間、散歩を終えて部屋に戻ってきたクロードは友人のミッシェル(礼華はるさん)と話をします。

タンゴについて力説しているとクロードの婚約者のフランソワーズ(白河りりさん)がやってきます。
そう、友人のミッシェルこそフランソワーズのお兄さんで
結婚すればクロードの義兄になる立場の人でした。クロード婚約者おるんかい!!!!!!

ということで婚約者が居ながらも恋をしてしまうクロード、そして競い合うルイ
求められているシャロン、婚約者が他の人に目移りしていることに気づいてしまうフランソワーズ

4人の男女が織りなす恋愛模様と心の機微が魅力的な本作、
果たして各々の恋はどうなっていくのか…みたいな感じですね。

よく考えたら最悪だけど全然憎めない鳳月杏さんのクロード

婚約者が居る上に社会的立場も公爵なのに森で見かけた女に一目惚れしてしまい婚約者がそっちのけになるという
普通に人伝とかで聞いたら何その人サイテ〜!ってなっちゃいそうな役なんですけど
演じている鳳月さんの醸し出す純朴さ、誠実さが素晴らしくて
観ていると「仕方ないよね…」と思えてしまいました。仕方なく無いのにね現実的にはね。

鳳月さんクロードの持つシャロンに対しての恋の切実さがもう…すごいので。
婚約者フランソワーズも誰を憎めばいいのかわからなくなりそうだなという説得力がすごかったです。
そしてもうね〜…この婚約者のフランソワーズも大っっっ変いい子で!
クロードを愛している心は消えないしシャロンのことも憎みきれず。
そのフランソワーズの出す結論が「人間って悲しいのね」なのがもうねえ。
本当美味しいもの食べてあったかくして過ごしてほしいわ( ̄▽ ̄;)


とにかくクロードは真面目に生きてきて、今まで自分の思う範囲で恋愛してきたつもりだったけど
シャロンに出会って自分の中にある激情みたいなものに気づいてしまい
夢中になっちゃったんでしょうね…今までの恋、全然恋じゃなかったわ…みたいなね。

誰にもうまく嘘をつけない性格だから自分もフランソワーズもシャロンも不幸になっちゃうのどうしようもないですね。

魔性の魅力とほんの少しの寂しさがある天紫珠李さんのシャロン

まあよく考えたら本当に気ままに振る舞う人って「気ままに振る舞うのよ」って自分で言わないですもんね。

あと本当に気まますぎる人は朝の森で朝露を踏みながらタンゴを踊ることに感銘受けたりしないと思うのでやっぱどっか繊細な方なんだと思います。

奔放に生きているように見せかけて内心は自分の立場や
移り変わる時代とか色々に不安を抱えてそうな感じが素晴らしかったですね。

その不安のなかで自分の外見だけじゃなく中身を見つめてくれたクロードに恋してしまうのどうしようもないですね。
多分シャロンも普通なら遊びとして恋を楽しむ程度なんでしょうけど、
自分に持ってないものをあまりに持ちすぎた人だからそんな余裕は無かったのかなと。

ホテルに乗り込んできた(乗り込んできた??)フランソワーズを介抱するシーン、強気な表情ですけど目は潤んでいて最高でした。
あそこのシーン客席でめちゃめちゃ「アチャ〜〜〜〜〜!!!!」て思ったんですが私だけですか?

2000人くらいで見守る修羅場、アチャ〜〜〜!!!でしかない。
あのシーン本当に名場面ですね、全員の表情が修羅場に居合わせた人の顔すぎて本当に最高でした。

気丈に振る舞うシャロンが時折見せるクロードへの恋満面の表情が可愛いんですよねぇ。
トラムブルーの時の琥珀の説明の時とかの表情すごく魅力的でした。

キメ顔がずっと格好良すぎる洒脱な水美舞人さんのルイ

最初の森のシーンなんかずっと斜に構えたオラついた表情をしてるのに普通に礼儀正しいし引き際も弁えてるし洒脱だしなんでこの方はジゴロをやっていらっしゃるんですか?????

という感じだったんですけどそれもきっと元々はごろつきか何かだったんでしょうね。
夢奈さんが色々世話してくれたんだろうなと思うとそこのサイドストーリーが見たくなります。

どっちも筋肉のイメージがめちゃめちゃあるので筋トレで絆を育んだのかもしれません。違うと思います。

ダンスは誰に教わったんでしょうね?白雪さち花さんなのかな。

さっき言ってた修羅場のシーンでのルイは立ってるところから移動して椅子に座る必要があるんですが
あの微動だにし難い張り詰めた修羅場のシーンで不自然さも、目立つこともなくスッと椅子に座って
あちゃ〜〜〜〜となってるの最高でしたね。いやアチャ〜〜剥き出しではないですけど、鎮痛な面持ちというんでしょうか。

とにかくどの瞬間を切り取っても超格好良いんですよ。朝の森から酒場までずっと顔が格好良い。

鳳月さんとまた一緒に舞台に立ってるところが観られて嬉しかったです。
花組時代はお互いに深く関わる役をやってる印象がそんなに無かったのでレアな感じがしました。

手折られそうな雰囲気なのに芯がちゃんとある白河りりさんのフランソワーズ

クロードと一緒に過ごしてきた大切な思い出、フランソワーズは全部覚えてるのにクロードは飛び飛びで覚えてたりするんだろうなと思うと胸が締め付けられますが
なんだかそんな感じがするフランソワーズでした。
そんな中婚約者の心がどんどんシャロンに塗り替えられていくのが手に取るようにわかっちゃうんでしょうねフランソワーズは…。怒りというより悲しみが強い感じのお芝居でとても好きです。

婚約者を追いかけて浮気相手のところまで乗り込む強さも向き合う強さもあるけど
本当はそんなことをしたいわけじゃないんだろうなという感じ…?しっかり感じられてたまらないです。
もしこの先クロードが戻ってきてくれたとしても、彼女はずっとクロードが離れる日を恐れて生きていくんだろうなあ。

クロードとフランソワーズがタンゴを踊るシーンでまたアチャ〜〜〜〜〜となってしまうんですが
本当に幸せになってほしい…けどクロードと居る限りその日は来なさそうですね。

人間って悲しいのね…。

月組全国ツアー公演琥珀色の雨にぬれて

今までも琥珀色の雨にぬれては何回か観たことがあったのですが、
今回ほどそれぞれの登場人物に感情移入しながら観たことはありませんでした。
再演演目って…そう。ベルばらとかでもよくあるんですが、このシーン好きなんだよな〜とかのシーンを目の前でなぞってるところを見てうんうん、好きだな〜と感じる瞬間が普通多いんですよね。私はね。
物語に入り込んでるんじゃなくて、なんていうか…美術館とか博物館で目当ての展示を見てる気持ちみたいな?
知ってる物語に対して続きは?とならないのが普通なんですが今回の月組公演は知っているのにこの先どうなってしまうんだろうとワクワクさせる力みたいなものを感じさせられました。

特に宝塚の場合は役名よりも芸名で見てしまうことが多い中今回はクロードとシャロン、ルイとフランソワーズそれぞれの物語を見たという感覚が強く、観劇としてすごく充実したものを感じました!

これからの月組さんに期待大です!!!クロードこの先どうすんの!?!?


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